古い預貯金口座を忘れていませんか?!
日本人は一人平均6冊の金融関係の通帳を持っていると云われている。
中には直し仕込んでしまって、すっかり忘れられた通帳が家庭内にはありますよと云うことになる。
これが結構あるのだという。
ゆうちょの古い定期貯金などは払い戻しに期限があって、うっかり忘れて放置しているとすべてが消滅してしまうのだ。
消滅したそうしたゆうちょの貯金額は、2020年には369億円、さらに2021年はこれまでの最高の457億円に達したと云うことで、これは10年前の約5倍になるらしい。
高齢化が進めば進むほどにこうしたケースが多発してくるはずである。
事実、高齢者の定額貯金などを満期になってもそのままに放置していると、いつの間にかすべてが国庫に入ってしまうと云うことなのだ。
後から気付いても一切救済処置はないのだから本当に恐ろしいことなのだ。
これはゆうちょだけではなくて、他の銀行でも同様である。
人事と思っていたらつい先日、古い机の引き出しの中を整理していたら見慣れない銀行通帳がひょっこり出てきた。
通帳残高を見ると、平成11年5月10日付けで9837円残っていた。
まったく失念していたのであるが、思わぬところから隠し金が出てきた感じである。
それでも20年以上放置していたわけで、全額がすんなりと引き出せるものかどうか分からない。
残高が9837円ぽっちではあるが、とにかく回収できる分は回収したい。
ところがどっこい、肝心の近くにあったはずのその銀行支店はすでにそこから撤退してしまっていて、ATMだけがぽっんと残っている状態である。
記帳してみると、通帳が古いためかそのATMではまったく認識されない。
これだとそのまま記帳して現在の残高確認も出来ないわけだから、ここは直接別の支店を探さなくてはならない。
ここからはいわゆる休眠口座扱いになるわけだから、こうなるとちょっと面倒であはあるのだ。
そしてここで確認しておかなくてはならないことは、すでに2018年の1月に「休眠預金等活用法」という法律が出来ているということで、その内容自体は「2009年1月1日以降の取引から10年以上、その後の取引がない預金を休眠預金とする」というものである。
要するに当方の銀行口座の場合、金融機関が扱う普通預金や定期預金ということでは、すでに休眠口座の対象になってしまっていることになる。
結局のところ銀行口座を長年放置していたら、いつの間にやら取り扱いが休眠口座とやらに切り替わっていたという話しである。
調べたところ休眠預金状態になってもその残額が1万円以下の場合だと、銀行からは何のお知らせもないらしい。要するに少額は切り捨て御免なのである。
当方の場合、残高が9837円だとこれに該当するわけだから、金融機関から何のお知らせもないのも当たり前ということになる。
しかも休眠預金状態になってしまうと、毎年口座管理手数料が五百円が自動的に差し引かれるという話である。
その結果、その少額の預金残高そのものは年々差し引かれて最終的にはゼロになることになる。
そうなるとただの休眠どころか、放置された口座の残高はいずれは自動消滅するのである。
わたしの休眠口座はこのときまさに消滅しかかっているのだと分かって、慌てて遠くにあるその銀行支店まで出かけて行った。
たしかにわたしの休眠口座はわずかな残高から見れば、このとき消滅しかかっていた。
事務手続きとしての休眠口座の解約にはそれ相応の時間が掛かるのだが、幸いにも当日店頭での清算処理後に残金がようやく手元に戻ってきた。
そして辛うじて掴み取ったその口座残金は、わずか2891円であった。
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