外資の高級宿泊施設を海外観光客が利用する!
大分県の湯布院盆地は言わずと知れた有名な温泉観光地なのですが、古くから九州地方の避暑地としても知られていました。
なぜこの地が避暑地なのでしょうか?
これにはちゃんとした理由があります。
湯布院盆地は海抜650メートル以上なので意外と夏場は気温が高くならないという特徴がありますし、その時期はいつも緩やかな気流の流れが心地よい風となって吹き渡ります。
これは盆地なのに気流の流れが、理想的な形で自然にコントロールされていると云うことになります。
その爽快感は訪れた者にしか分からないと思います。
大分県内の温泉と云うことであれば、湯布院とは距離的にも近い別府温泉同様に全国的にも有名ですが、それは温泉観光地としての評価だけで見たに過ぎません。
湯布院はこれまでにも「九州の軽井沢」と呼ばれたことがありましたし、保養に適した土地柄として、そのホリスティックな部分がより知られるようになりました。
湯布院は古代より豊富な温泉あることで有名でしたが、それでも湯布院が避暑地としてひろく知られるようになったのは歴史的にはわりと新しく、江戸時代になってからのことでした。
瞬く間に周辺七か国の大名家の別邸が湯布院盆地内に造られたといいますから、当時も大変な人気避暑地だったことになります。
特に明治大正期になってからは多くの名の知れた文人や芸術家、軍人、経済人らが訪れて、次々とこの地に別荘を設けました。
湯布院は四季の移り変わりがはっきりしているだけではなく、九州でも夏場が涼しく過ごしやすいということもあって自然を愛する多くの文化人に注目されたのです。
彼等の存在によって、この地特有の高原の避暑地としての風情が周囲にも評価されるきっかけになりました。
夏場に湯布院を訪れてみると分かるのですが、全国的に猛暑日が続いている時期でさえも避暑地といわれるだけあって、湯布院はそれほど暑くありません。
夏とは思えない爽やかさが、そこここに漂っています。
実際に湯布院の年間気温データを気象庁の資料でみると、そのことがよく分かります。
この気象データには驚かされてしまいます。
というのも年間の平均気温をみると、通常の九州の平地では見られないような気温変化であることが、一目で分かります。
通常九州では7,8,9月においては摂氏35度以上の猛暑日が連日のように続きますが、広大な森林に囲まれている湯布院周辺は平地より6,7度低めの30度前後の
気温が当たり前なのです。
湯布院盆地では、夏場気温が上昇して日中摂氏30度を超えたとしてもその時間帯はわずかな間ですし、クーラーがなくとも日常の生活に支障はありません。
夏場は常に盆地全体に吹き渡るゆるい風の流れがあって、湯布院独特の爽快感があります。
宿泊施設には一応クーラーは設置されていますが、やはり使用頻度は夏場でも少ないようです。
しかも湯布院一帯は夕方からはぐっと気温が下がりますし、夜間は夏場でも肌寒い時があるほどですし、実際に夏場の最低気温は摂氏20度ほどになります。
これこそが湯布院が避暑地である所以でもあります。
気象データをグラフ化するともっと分かり易いと思います。
湯布院盆地の気温と降水量
ただし冬場はさすがに平地に比べると気温が下がって寒いですし、九州でありながらここでは頻繁に雪も積もります。
こうした気温変化があったとしても盆地全体に豊かな温泉源がありますので、観光地としての魅力度はきわめて高いということになります。
そして避暑地としての評価もされています。
写真撮影などで湯布院を頻繁に訪れていると、温泉観光地というよりは避暑地、あるいはホリスティック(Holistic)な保養地というイメージが強く感じられます。
これが本当の意味での湯布院の魅力なのです。
最近は国内だけではなくアジア地域からの観光客にも人気があって、町中には多言語が溢れています。
それと同時に新しい変化としては、ここでもすでに外国資本が観光ビジネスに資本投下してきていますし、実際に観光客の比率は日本人より海外からの観光客が多くなってきているようです。
勝手な予想ですが、避暑地湯布院の本当の魅力に気付いているのは日本人ではなくて、外資や海外の富裕層観光客ではないかと思いますし、近い将来円安と共に多くの海外資本が入ってくるのではとみています。
日本は観光立国を目指しているようですが、外国資本はそれを見越していて、すでにその先を行っているように思えます。
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