スキンヘッドで活躍した名優ユル・ブリンナー
映画俳優ユル・ブリンナー（Yul Brynner, 1920年7月11日 - 1985年10月10日）はロシアの ウラジオストック出身で、スイス国籍のモンゴル人の父親とルーマニア系のジプシーの母親との間に生まれた。
幼少時に北京に移住して中国大陸を転々とする生活を送ったという。
10歳の時に一家はフランスに移住したが、彼はその東洋的風貌から学校では陰湿ないじめにあったともいう。
孤独な少年時代を過ごしていたのだが、そのような中で唯一親しく交流したのがジプシー一家であったが、そこでギターの手ほどきを受けて彼の音楽的才能が開花した。
13歳でパリのナイトクラブでプロのギター弾きとなり、成長すると共にその優れた身体能力を生かしてサーカス団に入って空中ブランコの曲芸師としても活躍する。
１7歳の時にブランコから落下して足を負傷したことでサーカスをやめ、あらたに舞台俳優を志すようになる。
ピトエフ・レパートリー一座に入って演技を学びながら、さらに名門ソルボン大学で東洋哲学を学ぶという秀才でもあった。
多彩な才能に恵まれたブリンナーは、特に語学でもいかんなく力を発揮して、ロシア語、英語、フランス語に通じ堪能であった。
1941年にアメリカに渡り舞台やテレビ番組制作に携わると共に、機会あるごとに演劇や映画俳優としても活動し始める。
彼はもともとスキンヘッドはなかったが、芝居の演出のためスキンヘッドになったことで注目され好評なこともあって、以後スキンヘッドをトレードマークのようにして表現していったことで大きな人気を得た。
映画の代表作として『王様と私』(56)、『十戒』(56)、『追想』(56) 、『荒野の七人』(60)があるが、その頭髪を剃った特異なスキンヘッド姿で晩年まで映画演劇界で活躍し続けた。
1952年にはロジャース&ハマースタインのミュージカルでトニー賞を、さらに1956年には『王様と私』の映画版に主演してアカデミー主演男優賞を受賞した。
俳優はもとより芸能面では歌手としてジプシーの伝統的な楽曲を巧みに歌いこなし、レコードを出したし他にも著作も残した。
趣味もひろく、なかでもカメラ撮影の腕はプロ並みであり、没後彼が残した作品は大冊の写真集として出版された。
ブリンナーは、1981年に末期の肺がんに冒されていて死期が近いことが分かったが、それでも酸素吸入を受けながら1985年1月7日から6月30日まで舞台劇として当たり役であった『王様と私』に出演し続けている。
彼はこの舞台に生涯を通して4633回も出演した後、惜しくも1985年10月10日に６５歳で亡くなった。
Yul Brynner Tribute
Юл Бриннер и Алеша Димитриевич - Две гитары - Редкое Видео
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